セブスト Fan Fun Festa

スマホゲーム「セブンズストーリー」とその運営への愛がみなぎる二次創作ショートストーリー

本当は怖いケッロ・タングロッティー

プロローグ

あめあめ村の一件で、コットンとケロタンを新たなメンバとして加えたアルフ一行は、地方のとある町に滞在中。
王都の急な依頼に対応するためパーティを離れていたファルメアが、久しぶりにパーティに戻ってきた。

 

ファルメア:ただいま、みんな

アルフ:おかえりなさい、ファルメアさん。王都での急ぎの用事はどうだったんですか?

ファルメア:それがね、空振りだったのよ。馴染みの冒険者ギルドから依頼があったんだけど、私が着いたときにはもう取り下げられた後だった

ラヴィ:どんな依頼だったんだ?

ファルメア:とある辺境の村からの依頼でね。そこはとある邪神に支配されていて、数年に一度女の子が人身御供に捧げられているっていうのよ

アルフ:穏やかじゃないですね。その邪神を討伐してほしいっていう依頼ですか?

ファルメア:そうだったんだけどね……。ちょっと遅かったみたい。ギルドに依頼してきた男は言ったそうよ。「手遅れだった。今回も娘は行ってしまった」。そう言って肩を落として帰っていったらしい。

ラヴィ:ひでえ話だな。

アルフ:なんという村の依頼だったんですか。

ファルメア:場所は依頼を受けてから明かすと聞いていたようで、わからないのよね。

アルフ:じゃあ、手がかりはないと……

ファルメア:あ、でも確か、その邪神の名前は聞いたわよ。うろ覚えだけど、長ったらしい名前なのよね。確か、ゲルロ・ズベーラバンギ……、ええっと、なんだったかな??

 

そこに、コットンがケロタンに乗って現れる

 

コットン:はじめまして、ファルメアさん。最近このパーティでお世話になることになったコットンです。

ファルメア:ええっ! なんで女の子がマモノに乗っているの?

ケロタン:マモノだなんて失礼だな

アルフ:そうですよ。ファルメアさん。ケロタンはコットンさんの相棒。とっても心強いこのパーティの新メンバです

ケロタン:はじめまして。ボクの名前は、ケッロ・スペーラファンビ・タングロッティー。人呼んで、ケロタンさっ!

ファルメア:!!!

 

あめあめ村の真相

コットン&ケロタンと挨拶を済ませたファルメアは、アルフ達を呼び出した。

 

ファルメア:アルフ、ラビイちょっといいかしら……

アルフ:どうしたんですか?ファルメアさん

ファルメア:どうしたんですか、じゃないわよ。あのカエルの名乗った名前、私が聞いた邪神の名前とやけに似ているだけど……

アルフ:何かの間違いじゃないですか。ケロタンはコットンさんの村の守り神なんですよ

ファルメア:村を支配する邪神は、大体自分のことを守り神と呼ばせるものよ……。そもそも、あんな小さい子がどうやってカエルと知り合いになったの?

アルフ:泉が枯れて困っていたケロタンを、森に入ったコットンさんが助けたんですよ。

ファルメア:どうして、あんなにちっちゃい子が一人で森に入るの?

アルフ:なんでも村の教会に伝わるステッキを持って、魔法の練習に行ったんだとか……

ファルメア:あのステッキは生贄の子どもの印ってわけね。それを持たせて森に入るように仕向けたんだわ。あのステッキは一体どうやって使うの?

ラビイ:コットンにしか出せない不思議な水をケロタンが飲むらしいぜ

ファルメア:そんな方法によって生贄の精気を吸い取っているのね……

ラビイ:なんだか、それはそれで辻褄があってきて怖えな……。でも、コットンがステッキを使ったら、村には雨が降ったんだぜ

ファルメア:それは、生贄を差し出したことで、邪神の怒りが収まったせいね。あの子が旅に出るといったときに親御さんはなんといったの?

アルフ:コットンさんをくれぐれも頼むって、泣きながらケロタンにお願いしていたらしいですよ

ファルメア:親御さんは覚悟を決めてたってことね。悲しい決断だわ。

ラビイ:あれって、そういう話だったのか!?

 

ケロタンは何を食べるのか?

アルフ達とファルメアの相談は続く

 

ファルメア:大体あの巨大なカエルは一体何を食べているの?

アルフ:言われてみると不思議ですね。ケロタンが何かを食べているところは見たことがないですね。

ファルメア:見た目からして、明らかに肉食よ、あの生き物。

ラヴィ:きっと、あれだな。カエルって虫を食べるから、みんなの見てないところでホーネットでも食ってんじゃねえか

アルフ:それはそれで、ちょっと怖いですね……

ファルメア:それに、この話をしながら思い出したんだけど、私は王都のギルドで噂を聞いたことがあるのよ。

アルフ:なんですか?

ファルメア:王都には雨の時期になると、カエルの背に乗った可愛らしい少女の冒険者が現れることがあるらしいわ。

アルフ:コットンさんとケロタンみたいですね

ファルメア:そうね。でもこの話が恐ろしいのは、カエルはいつも同じなんだけど、背中に乗っているのは毎回違う女の子なんだって……

ラビイ:それってまさか……

ファルメア:……ねえ、ケロタンは本当に何を食べているのかしら……

 

調査開始

コットンとケロタンの様子を物陰から見守るアルフとファルメア

 

アルフ:ファルメアさん。こんな盗み見のような真似はちょっと……

ファルメア:アルフくんは甘すぎるのよ。何かが起こってからでは遅いわ

 

ケロタンを相手に遊び回るコットンが、躓いて足をすりむいた。

 

コットン:痛いよー、ケロタン

ケロタン:大丈夫だよ。こんなの舐めておけば治るさ

 

ケロタンの舌がコットンに向かって伸びる

 

ファルメア:待ちなさい!ケッロ・タングロッティー!! ついに正体を現したわね。

ケロタン:一体なんだい、ファルメアさん

ファルメア:しらばっくれるのね。あなたは今コットンを食べようとしていたわ

コットン;ファルメアさん。誤解だよ。ケロタンはそんなことしないよ

 

その時、町に悲鳴が響いた

 

町の人:大変だ、町のはずれに巨大なドラゴンが出たぞ。まっすぐこの町に向かっている

ケロタン:大変だ。みんなを助けないと

ファルメア:ちょっと! まだ話は終わっていないわ

ケロタン:それどころじゃないよ。いくよコットン

コットン:わかったよ。ケロタン!

 

パーティの皆が町外れに集まってくる。先頭にはドラゴンハンターのセレンが立つ。

平原の先には巨大な赤い竜がいて、ゆっくりと歩いて町に向かってきている。

 

セレン:だめだわ……

ファルメア:どうしたのセレン?

セレン:あれは私達の手に負えるドラゴンじゃない。あれは、数百年を生きる火竜。行く手を阻むすべての構造物を破壊し天災レベルの災厄をもたらす不死の存在よ

アルフ:でも町を守らないと……

セレン:この町はもう終わりよ。町のみんなに逃げるように伝えて

ファルメア:でも……

セレン:竜殺しの末裔である私だからわかる。私達ではあれには絶対に勝てない。私達にできるのは町の人が逃げる時間を稼ぐことだけよ……

 

アルフ達は懸命に戦ったが、セレンの言葉どおり、ドラゴンには全く歯が立たない。

一人、また一人とドラゴンの強力なブレスに倒れていく。

 

ファルメア:けが人を後ろに下げて。悔しいけど、ここまでかしら……

アルフ:でもまだ町の人の避難が完了していないですよ

ファルメア:くっ、一体どうしたら……

 

そのとき、ドラゴンの前に2つの影が進み出る。

 

コットン:ここは通さないわ!

ファルメア:コットンとケロタン! あなた達は町の人の避難を助けていたはずでは……。逃げて!これはあなた達だけでどうにかなる相手ではないわ……

コットン:ファルメア。下がりなさい!

ファルメア:コットン?(いつもと口調が違う?)

コットン:みんなを下げて、巻き込まれるわよ

ファルメア:どうしたっていうの?

コットン:ここは私が食い止める。使いたくはなかったけれど、やつの封印を解くわ

 

コットンがステッキを振り上げる。

 

コットン:さあ、目覚めなさい、ケッロ・スペーラファンビ・タングロッティー。いや、古の水竜リヴァイアサン!!

 

ステッキが発した閃光で、ケロタンが光につつまる。
晴れていた空に突然暗雲が立ち込め、ケロタンは巨大な竜へとその姿を変える。

 

ケロタン:久しいな我が巫女よ。この姿は100年ぶりになるか……

コットン:古の盟約により命ずる。あの火竜をしりぞけなさい。

ケロタン:我が巫女よ。いいのか。そなたの寿命をもらうことになるぞ。

コットン:ああ、くれてやるわ、この命……

ケロタン:こんなに強い力を持った巫女は久しぶりだ。その力、使わせてもらうぞ

 

巨大な力がぶつかりあう。強力な衝撃波に巻き込まれ、その場にいたものはすべて気を失った。

 

エピローグ

ファルメアは気がつくと、火竜の足跡は町とは別の方角に去り、コットンとケロタンは雨が降る平原に元の姿で倒れていた。

 

ファルメア:しっかりして、コットン、ケロタン!

コットン:あれ……。私は一体なんでこんなところに?

ケロタン:確か町のみんなに避難を呼びかけて、その後ドラゴンのところに向かっていたんだよなあ……

ファルメア:あなた達、覚えていないの!? リヴァイアサンは??

コットン:なんのこと??

ケロタン:リヴァイアサンってなんだ?

ファルメア:(……記憶がない??)

 

それから数ヶ月が経過したが、あれ以降、ケロタンがドラゴンに変身することはなかった。

コットンとケロタンはムードメーカーとして、そして優秀な高機動格闘タイプとして、パーティになくてはならない存在となっている。

 

ファルメア:(あのときのコットンとケロタンは一体なんだったのかしら)

ファルメア:(二人はきっと、私には計り知れない大きな使命を持っているようね)

ファルメア:(でもコットンちゃん、たまにケロタンに甘えて口の中に入るのは心臓に悪いからやめてほしいわ)

ファルメア:(この前なんて、足だけがケロタンの口から出た状態で、コットンちゃんはとても楽しそうだったけれど、ケロタンがちょっと真顔で、本気で食欲と戦っている様子だったよ……)

(FIN)

 

<公式によるキャラ紹介>

 

 

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