セブスト Fan Fun Festa

スマホゲーム「セブンズストーリー」とその運営への愛がみなぎる二次創作ショートストーリー

ラビィ姫 〜恋するニンジン畑〜<後編>

こちらの記事は後編になります。

※前編はこちら

 

前回のあらすじ

ラビィは実は女の子、そして亡きラビット王国のお姫様だった。
マモノから自分を守って戦うアルフの姿に心がときめくラビィ。
ラビィのニンジン畑に恋するハートニンジンが実るようになり、ラビィは自分の恋心に気づいた。

 

はじめてのキス

ファティアに着替えさせられたことをきっかけに、様々な武器が使えるようになったラビィ。
今日はロッドを持って戦闘に参加。

 

ラビィ:(どうしよう。最近アルフの顔を見ると、ドキドキする)

ラビィ:(もっと自然にしないと……)

アルフ:ラビィ、今日の回復役はまかせたよ!

ラビィ:お、おう! まかせろ!!

 

今日は光のダンジョン超級に挑むことになっていた。

 

ラビィ:光のダンジョン超級にアルフがソロで挑むなんて、珍しいな

アルフ:たくさんの人数で挑むよりも早く強くなれるような気がするんだ。それにソロじゃないよ。ラビィが一緒じゃないか。こんなに心強いことってないよ

ラビィ:(こいつは、こんなクサいセリフを真顔でいえるんだよな……)

 

頬が熱くなるのを感じて、ラビィはうつむく

 

アルフ:どうしたんだ?ラビィ

ラビィ:な、なんでもないよ!

ハボット:どっせい! どうやら忘れられとるようじゃが、わしもサポートメンバーとして参加するからのう

アルフ:あはは。忘れていませんよ。ハボットさんもよろしくお願いしますね

ハボット:鉱石集めは任せてくれ

 

ダンジョンを進む3人。道中に現れるスネークやウィスプにアルフが攻撃を受けるたびに、ラビィはロッドを振り上げて回復する

 

ラビィ:あー、アルフが噛まれた! 回復!!

アルフ:ラビィ。そんなに一々回復してくれなくても大丈夫だよ

ラビィ:でも、スネークの毒が回るかもしれないだろ。ほら傷をみせてみろよ

ハボット:(若いもんはおアツいのう。でもちょっとはワシのことも回復してほしいぞ……)

 

ダンジョンの深部でウレキサイトが現れる。
さすがの強敵にアルフ達は苦戦する

 

ハボット:ワシはここまでのようじゃ。先に離脱させてもらうぞ

アルフ:わかりました。ハボットさんは下がっていてください

ラビィ:アルフは大丈夫か? 一度撤退して準備したほうが……

アルフ:ここで負けるわけにはいかないんだ。ラビィやみんなを守るために、もっと強くならないと

ラビィ:(アルフ……)

 

ウレキサイトにアルフのシャイニングブレードが炸裂。
トドメを刺したかに見えたその瞬間、巨大なウレキサイトの体がラビィの方向に向かって倒れてきた

 

アルフ:あ、あぶない!

アルフはラビィを横から抱きかかえて、地面に転がり、間一髪でウレキサイトの下敷きになるのを回避した。

 

倒れた衝撃でウレキサイトは爆散。
ラビィの上にアルフが覆いかぶさるような形になり、向き合う二人。

 

ラビィ:(そんなに見つめられると、恥ずかしいよ)

 

ラビィは目を合わせられない。頬が上気してアルフを正視できず目を閉じるラビィ。

 

ラビィ:(だめだ。こんなんじゃ、ドキドキしているのがバレちゃうよ)

 

次の瞬間。アルフがラビィにキスをした。

 

ラビィ:(な、なんでー!!!)

 

二人の恋は加速していく。

 

決戦前夜のセプティム

各地の遺跡で魔族の手から幻晶獣を取り戻したアルフ一行。
明日は船に乗り、いよいよ魔王のいる魔族領に乗り込むことになっていた。
決戦に向け、パーティにとっては最後の休息の夜。

 

セプティム:ここにいたんですね

アルフ:セプティムさん。その格好は?

セプティム:この服はファティアさんが作ってくれたんです。ちょっと大胆……でしたでしようか?

アルフ:とても良く似合っていますよ。そのアクセサリーは……

セプティム:これはマチハの花。冒険の最初にアルフさんが見せてくれた思い出のお花です

アルフ:覚えていてくれたんだ

 

少しの沈黙のあと、セプティムは意を決したように言った。

 

セプティム:私……アルフさんが好きです!

アルフ:!!

セプティム:言っちゃいました……

アルフ:でも僕は……

セプティム:分かっています。でも、明日からの戦いで私達は命を落とすかもしれない。最後になるかもしれないから、私は自分の気持ちをちゃんと言葉にして伝えたかったんです

アルフ:好きになってくれてありがとう。でもごめんなさい。僕には他に好きな人がいます

セプティム:うん。知っていました。そして、私こそ自分の記憶を取り戻す旅を一緒にしてくれたアルフさんに感謝してます。本当にありがとうございました

アルフ:セプティムさん……

セプティム:ラビィさんが待ってます。行ってあげてください……。私のことは大丈夫です

 

セプティムはそう言うと、にっこりと笑った。
アルフが去り、一人残されるセプティム。木陰からファティアが姿を現す。

 

セプティム:私……。フラれちゃいました。

 

セプティムの目から大粒の涙があふれる。
ファティアはセプティムを抱きしめる。

 

ファティア:あなたはがんばりましたわ

セプティム:ファティアさん……、見守っていただきありがとうございました

ファティア:とてもかっこよかったですよ

セプティム:ファティアさん、もう一つお願いしてもいいですか?

ファティア:私に出来ることなら何でも言ってちょうだい

セプティム:私の髪……切ってくれませんか?

 

決戦前夜のニンジン畑

アルフ:ずいぶん探したよ。こんな夜にニンジン畑で収穫かい?

ラビィ:明日から忙しくなるから、最後に手入れをしておかなきゃな。アルフこそ、どうしたんだよ。セプティムのところに行ってたんじゃないのか?

 

収穫した恋するハートニンジンを後ろ手に持って隠すラビィ。
恋するハートニンジンは、暗闇でピンク色に光っている。

 

アルフ:ラビィ、君のことが好きだ。この戦いが終わったら結婚してほしい

ラビィ:オレみたいな……、こんな男みたいな性格のオレでいいのか?

アルフ:君じゃなきゃだめなんだ

 

ラビィの鼓動にあわせて恋するハートニンジンの輝きが強くなる。
地中に埋まったたくさんのハートニンジンが輝きはじめ、ニンジン畑は幻想的な光に包まれる。

 

ラビィ:オレもアルフのことが大好きだ。これからもずっと一緒だからな

 

恋する二人の影が、ピンク色に輝くニンジン畑の中で重なる

 

エピローグ

その後、魔族領に渡ったアルフたちは魔王を倒した。
魔王によって魔族に姿を変えられてたラビット族たちの姿も元の戻り、かくしてラビット王国は魔王の手から解放された。

 

ラビィはラビット王国の7代目の女王となりアルフと結婚。国中から祝福を受けた。
二人はたくさんの子宝に恵まれ、ラビット王国中興の祖と呼ばれるにいたる。
そんなラビット王国の第7代の活躍は、セブンズストーリーとして人々に長く語り継がれることとなった。

 

セブンズストーリーには、魔族領に渡ったアルフたちの一行の召喚士が幻晶獣を自由自在に操り、たった一人で魔王軍の半数以上を退けた活躍が語られている。
魔族から「銀髪の悪魔」と恐れられたその活躍の源泉が、一つの恋の終わりによる壮大な八つ当たりであったことを知るものはいない。
(FIN)

 

<公式によるキャラクター紹介>

 

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