セブスト Fan Fun Festa

スマホゲーム「セブンズストーリー」とその運営への愛がみなぎる二次創作ショートストーリー

進め!混沌の岩窟 〜ハボットの岩窟メシ〜

プロローグ

ハボットたちが混沌の岩窟で釣り上げた巨大魚は、村の酒場で調理され、その味は冒険者達に絶賛を浴びた。
しかし、パーティが遭難しかかったことを受けて、ファルメア達はギルドと協議し、岩窟は立ち入りが禁止されることになった。

それから数日。混沌の岩窟の入り口には、釣り竿を担ぐ一人の男の姿があった。

 

ハボット:これで諦めるようでは、トレジャーハンターの名が泣くからのう

 

その背後から、大きな鍋をかついた少女が一人。

 

イシーヌ:ハボット、水臭いじゃない。あなたが釣った魚を美味しく調理する人が必要なんじゃないかしら

 

さらにそこの背後から、杖をもった魔法少女が一人。

 

ココナ:このココナ様を差し置いて、こそこそと出かけるとは何事? あの巨大魚を少人数で釣り上げるには私の爆裂魔法が必要なんじゃなくって?

 

そこに現れる歴戦の冒険者

 

ファルメア:ちょっと、あなた達、何やっているのよ! ここは立ち入り禁止になったって言ったでしょう?

ココナ:やば! みつかっちゃった!?

ハボット:フォッフォッフォ。ワシらにそれを言う前に、その後ろ手に隠している釣り竿は一体なんなのか、教えてくれるかのう

ファルメア:!!

 

ばつが悪そうにファルメアは笑う。

 

ファルメア:しょうがないわね。みんなには秘密なんだからね

ココナ:そうこなくっちゃ!

ファルメア:さあ、岩窟が姿を変える前に、あの水辺に急ぐわよ

 

記憶をたどって地底湖にたどり着き、釣り糸を垂らす一行。

 

ファルメア:なにか聞こえない!?

ココナ:洞窟の形がまた変わろうとしているんだわ

イシーヌ:だめ、立っていられない

 

大きな地鳴りが響くとともに、地底湖の水が溢れ出し、地割れで発生した岩盤の裂け目に冒険者の一行を洗い流す。

 

混沌の岩場・深層その1

ファルメア:みんな、いるわね

ココナ;ここはどこなのかしら?

ファルメア:ずいぶん深いところに落ちたようね

イシーヌ:魚が釣れるのを当てにしてご飯を食べてこなかったから、お腹が空きました……

ハボット:腹が減っては採掘は出来ぬじゃ。皆で食べ物を探すとしよう

 

洞窟内に巣食うラージバットを倒しながら、周囲を探索する一行。

しかし、洞窟内に食べ物は見当たらない。

 

ココナ:おなかがへったー。もう倒れそう……

イシーヌ:私に提案があるんですけど

ファルメア:どうしたの?

イシーヌ:さっきから襲いかかってくるラージバットって、食べられないかしら

ココナ:マモノを食べるっていうの!?

ハボット:あれはコウモリじゃからな。フォーディース王国では、貴重なタンパク源としてコウモリを食べる習慣があると聞くぞい

イシーヌ:私、前から一度マモノを料理してみたいと思っていたのよね

ココナ:ちょっと正気!?

ハボット:キノコも食ってみたらうまかったじゃろう?

ココナ:キノコとマモノを一緒にしないでちょうだい!

ファルメア:何でも食べてどこでも眠る、それが、冒険者に大事な資質よ

イシーヌ:幸い、魚を食べるつもりだったから調味料は豊富に準備してきているし。出来上がった料理をみて考えるっていうのはどう?

ココナ:うう……。じゃあ、そうしてみるわ……

 

ハボットとイシーヌが手際よくラージバットをさばいて大きな鍋に放り込んでいく。

 

ココナ:う……。いい匂いがする……

イシーヌ:ラージバットを香辛料と生姜、ココナッツミルクで煮込んでみました

ココナ:ココナの好きな香り……

ハボット:じゃあ、食べようかの

ハボット・イシーヌ・ファルメア:いただきまーす!

ココナ:い、いただきます……

 

ココナがおそるおそるスープに手をつける

 

ココナ:お、おいしい……

ハボット:トリよりも淡白なラージバットの身が、甘辛いスープと絶妙にマッチするのう

ファルメア:私もラージバットを使って料理を作ってみたわ!

イシーヌ:ファルメアさん?

ファルメア:ラージバットを私の必殺の一撃で焼き上げた一品! 名付けてラージバットのバーニングディバイダー焼きよ!

 

ラージバットの全身が黒く焦げ、断末魔をあげる苦悶の表情が顔面に張り付いている。

 

ココナ:す、姿焼きは結構です……

 

混沌の岩窟・深層その2

混沌の岩窟の深部をさまようハボット達一行。
パーティは新たな問題を抱えていた。

 

ココナ:お腹がすいた……

 イシーヌ:ラージバットが食べたい……

 

洞窟内で大量にいたラージバットはハボットたちの乱獲により、彼らの見ると姿を隠すようになったのだ

 

ココナ:もうなんでもいい、食べるものを…… 

イシーヌ:私に提案があります

ファルメア:どうしたの?

イシーヌ:私達に襲いかかってくる、あのエンプティって、食べられないかしら

ココナ:あれを食べるっていうの!?

ハボット:あれは目玉のお化けじゃからな。和国では、貴重な珍味として、魚の目玉を食べる習慣があると聞くぞい

ココナ:ちょっと正気!?

ハボット:ラージバットも食ってみたらうまかったじゃろう?

ココナ:ラージバットは獣よ。エンプティのような魔法生物と一緒にしないでちょうだい!

イシーヌ:まあ、マモノを食べるという意味では同じよね

ファルメア:何でも食べてどこでも眠る、それが、冒険者にとって……

ココナ:わかったわよ! 食べればいいんでしょう!!

 

ハボットとイシーヌが手際よくエンプティをさばいて大きな鍋に放り込んでいく。

 

ココナ:うう……。いい匂いがする

イシーヌ:和国から取り寄せた醤油とみりん、砂糖に生姜を入れて仕上げてみたわ。

ハボット:じゃあ、食べようかの

ハボット・イシーヌ・ファルメア:いただきまーす!

ココナ:い、いただきます……

 

ココナがおそるおそる煮物に手をつける

 

ココナ:お、おいしい……

イシーヌ:目の周りのゼラチン質にはコラーゲンがたっぷりで美容にもいいのよ

ココナ:美容!

ファルメア:私もラージバットを使って料理を作ってみたわ!

イシーヌ:ファルメアさん?

ファルメア:私がエンプティをバーティカルスラッシュで切り裂いて調理した一品よ

 

ラージバットの全身が真っ二つに切り裂かれた上で、串で豪快に貫かれて火にあぶられている。

 

ココナ:く、串焼きは結構です……

 

混沌の岩窟・最深層

ハボットたちは、食欲のままにエンプティの乱獲を始めると、ダンジョンからエンプティの姿も消えてなくなった。

 

ココナ:おなかが空きました…

ファルメア:このままでは全滅だわ……

 

そこに地底から低い声が響く。

 

地底から響く声:ワシの狩場を荒らすのは誰だ……

 

巨大な地響きを立てて、ダンジョンの一部から巨大な扉が現れる

 

ファルメア:これは、ダンジョンの最深部につながる扉?

イシーヌ:なんだっていいわ。そこに食材があるならば!

 

巨大な扉を4人がかりで開くと、巨大がドラゴンが姿を現す。

 

ドラゴン:ワシが魔王様からさずかった、この食材を美味しくするダンジョンで、勝手に食事をするお前たちは一体何者だ

ハボット:おお、このダンジョンの食物連鎖の頂点にいるドラゴンか!

イシーヌ:これ、絶対に美味しいやつですよね

ココナ:良質なタンパク質とコラーゲン!

ファルメア:この子たち、ドラゴンを食べ物としてしか見ていないわ……

 

ドラゴン:何をごちゃごちゃと言っておる

ココナ:くらえ! これがコラーゲンの力よ!

 

ココナのロックフォールがドラゴンに炸裂。スキル追撃が発動して、膨大なダメージをドラゴンに与える。

 

ドラゴン:なんだ、この威力は……。しかし、こんな人間どもには負けられぬ

 

ドラゴンがブレスがパーティを包む。

 

イシーヌ:なんのこれしき……。この力みなぎるレシピで回復よ!

 

イシーヌの固有スキルが発動し、ブレスの傷を癒やすとともに味方に強力なバフを付与する 

ハボット:どっせい。ワシの一撃をくらえ!

 

ハボットの強力な一撃がドラゴンの尻尾に炸裂し、尻尾を根本から切断。

ドラゴンは絶叫してのたうち回る。

 

ファルメア:ドラゴンの尻尾を斬るなんて。なんて威力なの……

ドラゴン:なんという者達だ……。ここはひとまず引くか……

 

ドラゴンは大きな翼で羽ばたき、ダンジョンの闇に消えて行った

 

ハボット:逃げおったか……

イシーヌ:ああ、私達のごはんが……

ココナ:でも、あそこに残された食材があるわ

 

その視線の先には、切断されたドラゴンの尻尾。

 

イシーヌ:これ、食べるわよね

 

全員がそれにうなずく。

 

エピローグ

ドラゴンのテールスープを平らげたハボットたちは、ふと気づくと洞窟の向こうから明かりが照らしすのを発見した。

 

アルフ:みなさん、ご無事でしたか!

 

アルフが出迎え、数日間行方不明になっていた仲間を労う。

しかし、不思議なことに気づき、こう問いかけた。

 

アルフ:なんでみなさん、ずっとダンジョンに潜っていたのに、そんなに血色がいいんですか!?

 

そんな事件から更に数日、混沌の岩窟の入り口には、再びこの男の姿があった。

 

ハボット:トレジャーハンターには行かなければならん時があるのだ……。まさか尻尾だけであんなに美味い生き物がおるとは……

イシーヌ:なーに、カッコをつけているんですか。そんな調理器具じゃドラゴンは捌けないですよ

 

イシーヌの背には、巨大な包丁と鍋が背負われている。

 

ココナ:ちょっと、また、このココナ様を置いていくつもり? 私の爆裂魔法で今度こそ、あのドラゴンを食材に変えてみせるわ

ファルメア:みんな、遅かったじゃない。待ちくたびれたわ。

 

そして現れる新たな冒険者

 

キャロル:このダンジョンに、お肌に良いドラゴンが出るって噂を聞いたんだけど、私もついていっていいかしら?

全員:(最強の助っ人が現れた……)

ファルメア:さあ、行くわよ。私達の闘い(食材探し)は、まだ始まったばかりよ

(FIN)

 

 

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