セブスト Fan Fun Festa

スマホゲーム「セブンズストーリー」とその運営への愛がみなぎる二次創作ショートストーリー

ワイルドストロゥ殺人事件!?

プロローグ

とある町の宿に泊まっていたアルフ一行。

朝、各自が部屋で冒険の身支度をしていると、ただならぬ声が響き渡った

「いやーーー」

甲高い叫び声と同時に、何かが倒れたような巨大な物音が響く。

 

アルフ:あれは、ワイルドストロゥさんの部屋からだ。

 

冒険者達が、ワイルドストロゥの部屋の前に集まる

 

アルフ:ワイルドストロゥさん! 大丈夫ですか!?

ファルメア:どうしたのワイルドストロゥ!

 

扉を叩いて呼びかけるが答えはない。

 

ファルメア:ここを開けて! 

アルフ:だめだ。内側から鍵がかかっています

ファルメア:しょうがない、扉を破りましょう。

シルヴィア:ここは私にまかせな。少し離れて!

 

シルヴィアが大きな戦斧を振り上げ、ボルケーノ・アックスで扉を粉砕する。

部屋に飛び込んだ冒険者達が見たものは、床にうつ伏せに倒れたワイルドストロゥの姿だった。

 

ラビィ:大変だ。ワイルドストロゥが死んでる!?

 

ワイルドストロゥの正体

ワイルドストロゥの部屋に集まった冒険者達。

 

ファルメア:ラヴィ。まだ死んだと決めつけるのは早いわ

ラビィ:だって脈がないぜ

ファルメア:こんな大きな鎧の上から脈が測れるはずないでしょ

アルフ:でもどうしよう

ファルメア:そうよね。果たしてこの鎧を脱がせていいものか……

 

一緒に旅をしながら、誰にも正体を明かすことがなかったワイルドストロゥ。

冒険者達は、その正体を暴いて良いのか悩んでいた。

 

ファルメア:決めた。今は緊急事態よ。悲鳴を上げてワイルドストロゥは倒れた。緊急に処置する必要があるかもしれない

アルフ:そうですね。もし急病で倒れたのなら、命があぶない

 

冒険者達は協力して、ワイルドストロウの鎧を起こす。

 

ラビィ:馬鹿みたいに重いな

アルフ:そして、ダメだ。硬くて兜が外れない。

ラビィ:オレにまかせな。燃えてきたー

 

ラビィは鎧の肩に乗り、まるでニンジンのように兜をつかみ、強引にひっぱりあげる。

スポッという小気味のいい音とともに兜が外れ、ラビィ達は中を覗き込んだ。

 

ラビィ:からっぽだ!

アルフ:ワイルドストロゥさんがいない!?

 

 

名探偵ファルメア!?

アルフ:ちょっと待ってください。中から悲鳴が聞こえて、内側から鍵がかかっていたんですよ。

ラビィ:あの窓から出たんじゃねえか?

アルフ:ここは3階だよ。それに窓は閉まっている。

ラビィ:ここは……密室だってことか

ファルメア:ちょっと言いにくいんだけど……、この状況を説明できる仮説があるわ

ラビィ:なんだ?

ファルメア:その鎧がワイルドストロゥさんの本体なのかもしれない。

アルフ:どういうことですか?

ファルメア:王国の冒険者の間ではこういった話はよく聞くのよ。戦いで死んだ兵士の無念が武器や防具にやどり、死後も動き続けることがある

ラビィ:さまよう◯ろいってやつだな

ファルメア:その呼び方はちょっと……。また、魔法学院には、かつて鎧に魂を転生させた錬金術師がいったっていううわさも

ラビィ:◯の錬金術師だな

ファルメア:きわどい二つ名を出すのはやめて。とにかく、鎧が動いたりしゃべるというのは、この世界ではそんなに珍しいことじゃないのよ。

ラビィ:じゃあ、なんで今はうごかないんだ。

ファルメア:気を失っているのかもしれない。とにかく今はしばらく様子をみましょう。そしてこのことは、ここにいるメンバー以外には決して口外しないこと。

 

ワイルドストロゥ危機一髪

その頃、ワイルドストロゥ(中身)は、部屋の窓の外で雨樋を掴み、心の中で仲間たちを毒づいていた

 

ワイルドストロゥ:(だれが、さまよう◯ろいだよ!! こんな赤いイチゴ色のキュートな鎧をモンスター呼ばわりとは!)

ワイルドストロゥ:(それに、密室じゃねえよ。シルヴィアのボルケーノ・アックスの衝撃で、天開きの窓が閉まっただけだよ!)

ワイルドストロゥ:(そもそもなんでドアを壊すためだけに、ボルケーノ・アックスをぶっ放すんだよ、あの女。焼け死ぬところだったぞ)

ワイルドストロゥ:(イチゴの神様……オレは何にも悪いことをしていないのに、なんでこんなことに……)

 

鎧の中に虫がいたことに驚き、悲鳴を上げたワイルドストロゥ。

慌てて鎧を脱ぐと、倒れた鎧が盛大な音を立て、駆けつけた仲間が扉をこじ開けようとしていた。

焦ったワイルドストロゥは唯一隠れられる、窓の外に転がり出たのだった。

 

ワイルドストロゥ:(今はまだオレの正体を知られるわけにはいかないんだ)

ワイルドストロゥ:(泣き言を言っても始まらないか……)

 

ワイルドストロゥは雨樋を伝い、なんとか隣りの部屋までたどりついた

 

ワイルドストロゥ:(ラッキー、窓があいていた。中には誰もいないようだ。お、この鎧は……)

 

ワイルドストロゥが入ったのは、スタンツの部屋だった。

スタンツの白い防具と武器の一式が置かれている。

 

ワイルドストロゥ:(この鎧を着れば、正体がバレない。助かったぜ。スタンツ!)

ワイルドストロゥ:(しかし、スタンツは一体、鎧を着ずにどこに行ったんだ??)

 

ワイルドストロゥがスタンツの鎧を着て部屋を出ると、廊下でファルメアに出会った。

 

ファルメア:おはよう、スタンツ

ワイルドストロゥ:お、おはよう…

ファルメア:声がおかしいわね。風邪でもひいたの?

ワイルドストロゥ:そ……そうみたいだ。それより物音がしていたけど、何かあったのか?

ファルメア:あ、なんでもないのよ……。ちょっとワイルドストロゥの具合が悪かったみたいで

 

そこに宿の店主が慌てた様子で駆け込んできた

 

宿の店主:あんたたち、助けてくれ、町にモンスターが現れたんだ!

 

ファルメア:こうしてはいられない。いくわよ、スタンツ!

ワイルドストロゥ:お、おう(オレにこの盾と剣が使えるのか??)

 

ファルメア、アルフ達は、町に現れたモンスターを素早い連携で片付けていく。

ワイルドストロゥのぎこちない動きには誰も気づいていないようだ。

 

ファルメア:今がチャンスよ、スタンツ! 必殺技で敵を一掃して。

ワイルドストロゥ:ええっと……

ファルメア:はやく!

ワイルドストロゥ:(こんな感じだっけか?)じゃすてぃすぶろう!

 

スタンツの格好をしたワイルドストロゥが、盾と剣を突き出して、くるくると回転。
モンスターを次々になぎ倒していく。

 

ファルメア:おつかれ、スタンツ。何かいつもと技が少し違うようだったけど、すごい威力だったわね! 新しいスキルなの?

ワイルドストロゥ:ああ。イチゴの威力だ

ファルメア:イチゴ???

ワイルドストロゥ:な、なんでもない……。それより急用を思い出した。後片付けはまかせたからな!

 

ファルメア達を残して、宿に一人で戻ったワイルドストロゥは、スタンツの部屋で鎧を脱ぎ、自分の部屋に戻った

 

ワイルドストロゥ:オレの鎧!そしてイチゴのハンマー。やっぱりこれだよ!!

 

やがてファルメア達も宿に戻ってきた。

 

ファルメア:ワイルドストロゥ! 大丈夫なの?

ワイルドストロゥ:ああ、ちょっと気分が悪かったけど、さっき甘いイチゴを食べたら元気になったぞ

 

 

エピローグ

スタンツの部屋。

ワイルドストロゥに脱ぎ捨てられた鎧が、ひとりでに動き始める。

鎧の腕が足を掴んで体に装着し、立ち上がる。

起き上がった鎧は、床に転がった兜を掴むと、頭の位置に載せる。

するといつものスタンツの口元が、兜の中に浮かび上がった。

 

スタンツ:(ワイルドストロゥの正体が、まさかあんな人間だったとは……)

スタンツ:(まあボクも、人のことが言えた義理ではないか)

スタンツ:(しかし、今の仲間たちはすばらしい。ボクのこの呪われた体の秘密も、アルフくんたちにであれば、いつか全てを打ち明けられそうな気がする)

スタンツ:(それにしてもワイルドストロゥ。人の鎧の中で練乳を付けたイチゴを食べましたね……。鎧の中が甘酸っぱい匂いで激しくベタベタする……)

(FIN)

 

 

<公式によるキャラ・イベント紹介> 

 

 

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