セブスト Fan Fun Festa

スマホゲーム「セブンズストーリー」とその運営への愛がみなぎる二次創作ショートストーリー

マヤのおにいちゃん探し

プロローグ

ムールの神殿の一件で、マヤを新しいメンバーとして迎えたアルフ一行。

強力なメンバを加え、戦力アップしたパーティであったが、ファルメアとメイが浮かない顔で相談している。

 

ファルメア:まずいことになったわね

メイ:マヤさんのことですよね

ファルメア:そうなのよね……

 

アルフのことを「おにいちゃん」と慕うマヤは、アルフに親しくする女子にあからさまな敵意を向けた。とりあわけセプティムを目の敵にしており、パーティ内に不穏な空気が漂い始めていた。

 

メイ:この前なんか、セプティムさんがマヤさんの剣の練習の相手をさせられていましたよ

ファルメア:召喚士相手に剣の練習!?

メイ:セプティムさんがヴィロームを召喚するたびに、マヤさんが切り刻むというのを延々と繰り返していました

ファルメア:それは幻晶獣の使い方として斬新だけど、なんだか凄惨すぎるわね。最近、マヤちゃんが剣技が急激に進化したのには、そんな理由があったのね……

メイ:セプティムさんとヴィロームのメンタルが心配ですよ

ファルメア:実は私もこの前見ちゃったのよね……。セプティムがパーティを離れて一人で森に入っていったので、そっと後をつけたことがあるのよ

メイ:それは心配ですね

ファルメア:森でタイタンを呼び出して、セプティムは何か話しているようだった。背中越しでよく見えなかったけど、あれはきっと泣いていたんだと思う

メイ:切ない光景ですね。一体どうしたらしいいんでしょうか……

ファルメア:この前、セプティムの力が弱まって召喚獣達が暴走したのも、きっとこれと無関係ではないと思うわ

メイ:ほうっておくことのできない問題ですね

 

そこに突然現れる女教師。

 

メルセデス:ここは私の出番ね

ファルメア・メイ:メルセデスさん!

メルセデス:私に作戦があるわ

メイ:作戦……ですか?

メルセデス:私の見立てでは、今のマヤちゃんがアルフくんに懐いているのは、いわば、雛鳥が初めて見た動くものを親と勘違いするようなようなものよ

ファルメア:刷り込みというやつね

メルセデス:そう。特殊な環境で育った彼女は、実の兄以外で初めて出会った頼れる男性のアルフくんに、特殊な親近感を覚えているだけなのよ

メイ:なるほど。でも一体どうしたらいいんでしょうか?

メルセデス:だから、免疫のない彼女に、ぴったりの彼氏……もとい、別のおにいちゃんを見つけてあげればいいのよ

メイ:なるほど。でも一体誰を紹介するっていうんですか?

メルセデス:私に任せて。我が師匠にして、体は子ども、心は大人の相属性。あの男ならどうかしら(先生。この前の貸しは返してもらいますからね)

 

 

マヤとルーディ

ルーディ:マヤくん。こんにちは

マヤ:あれ、お前だれだっけ?

ルーディ:(お前……。そして私を知らないだと!?)このパーティの冒険者にして魔法学院の魔術士、ルーディだ

マヤ:ごめん。私、子どもには興味がなくってさ。だって子どもって小さくて弱いじゃないw

ルーディ:私はこんな格好をしているんだけど、長く生きていてね。実はメルセデスは私の教え子なんだ

マヤ:あはは、中身はおじさんなのね。改めてよろしく。ルーディおじさん

ルーディ:(おじさん……だと……)

マヤ:そして、私、おじさんにも興味がないからさ

 

立ち去るマヤに、呆然と立ち尽くすルーディ。

物陰からその様子を伺っていた3人。

 

メイ:まさかの展開でしたね。一人で二回もフラれるとは……

メルセデス:わが師匠ながら不甲斐なかったわね

ファルメア:まさに双剣使いの剣技。2太刀でバッサリだったわね

メイ:うまいこと言っている場合ですか。ルーディさん精神的なショックを受けているようでしたけど大丈夫ですかね……

メルセデス:でもこれではっきりしたわ。マヤちゃんは男性でも、子どもと中年以上はだめなのよ

メイ:じゃあ次は誰にしましょうか?

ファルメア:私に考えがあるわ。私、ずっとマヤちゃんのお兄さんのムガーフさんの顔が、誰かに似ていると思っていたのよね

 

 

マヤとクアトロ

クアトロ:よお!マヤ。おれはクワトロ、いずれ格闘王と呼ばれる無敵の男だ。よろしくな

マヤ:未来の格闘王だね。こちらこそよろしく。じゃあ、さっそくだけど私の剣の練習に付き合ってくれない?

クワトロ:お安い御用だぜ。一緒に筋トレするか?

マヤ:筋トレじゃなくて、実戦がいいな

 

(3時間後)

クワトロ:(一度も勝てないだと……)そ、そろそろこのあたりにしようか

マヤ:何言ってるの、無敵の男。まだまだ始まったばかりだよ

 

(6時間後)

クワトロ:(俺の攻撃がかすりもしない……)ちょっと休憩したほうがいいんじゃないか?

マヤ:大丈夫。私は本気出したりしてないからさ

 

(9時間後)

クワトロ:(これで本気じゃないだと…)お、おれはいずれ格闘王に…なる男だ……

マヤ:あはは、私に勝てないようじゃあ、格闘王にはなれないよ。さあ、もっとやるよ。

 

(12時間後)

クアトロ:おれの負けだ……

マヤ:あ、待って、格闘王

 

クアトロが逃げ去る様子を、物陰から伺っていた3人。

 

メイ:クアトロさん、泣いてましたね。

メルセデス:口程にもない男だったわね

ファルメア:図らずも男のプライドが砕けるところを見てしまったわ

メイ:マヤちゃんは、まんざらでもない感じだったんですけどね

メルセデス:しかし、拳で語るタイプの男ではだめね。あれではいくつ体があっても足りないわ

メイ:そういうことなら、私に考えがあります。決して拳を交えようとしないあの男なら、なんとかしてくれるかも。

 

 

マヤとジオード

ジオード:やあ。狂心の剣風

マヤ:いきなり二つ名で話し掛けられたのは初めてだよ。君はだれ?

ジオード:我は光と闇の狭間から生まれし世界を導く黄昏の騎士、ジオードだ

マヤ:ジオードか。よろしくね。さっそくだけど私の剣の練習に付き合ってよ

ジオード:あいにく我が右腕に封印せし闇の力を戦場以外で解き放つのは危険すぎるからな

マヤ:きゃは。ジオードも闇属性なんだね

 

 

そこに商人があわてた様子で駆け寄ってきた。

 

商人:あんたたち、冒険者か。助けてくれ。森の向こう側の街道で隊商がモンスターに襲われているんだ

マヤ:私達の出番みたいだね。いくよ、ジオード

ジオード:ま、待て。二人だけでいくのか。まずはパーティの皆に知らせないと

マヤ:大丈夫だよ。モンスターなんて私一人で全滅させてやるよ

 

 

ジオードを置いて、一人で駆け出すマヤ

 

ジオード:(ここから、パーティのいる場所まで戻るのは時間がかかりすぎる…。女の子一人で行かせるわけには)

 

 

隊商を襲う大量のモンスターに一人で立ち向かうマヤ。

凄まじい剣戟でモンスターを切り刻んでいくが、多勢に無勢。次第に劣勢に陥っていく。

 

マヤ:(私、ここで死ぬのかな……)あはっ。やっぱり強い。でもまだまだ行くよ

ジオード:待たせたな、狂信の剣風

マヤ:ジオード。あはは。怖気づいて、もう来ないのかと思ったよ

ジオード:闇の力を解放するのに少し時間がかかっただけだ。時間稼ぎご苦労だった

マヤ:強がるね。でもジオードの言うとおりだった。こんなにモンスターが多いんじゃ、二人ではキツいね。

ジオード:馬鹿なことをいうな。我が解放されし右腕の力、見せてくれる。

マヤ:きゃは。背中は預けるよ。おにいちゃん。

 

ジオードが来たことで、マヤの剣の鋭さが増す。そしてその力はジオードにも流れ込むようだった。

 

マヤ:今日はなんだか調子がいいよ。おにいちゃん

ジオード:これが混沌の力か。眠れモンスターよ、我が闇の竜巻に抱かれながら、無に還るがいい

 

遅れて駆けつけたファルメア達が見たのは、おびただしい数のモンスターの屍と、互いに背中を預けて座り込む、マヤとジオードの姿だった。

 

 

エピローグ

その一件以来、マヤは次第に仲間に溶け込んでいった。

 

メイ:マヤさん、すっかりこのパーティに馴染みましたね。

ファルメア:一時期のようにアルフくんだけにべったりっていう感じじゃなくなったよね

メイ:そうですね。アルフさんだけじゃなくて、マヤちゃんが「おにいちゃん」って呼ぶ男性全般にべったりというか

ファルメア:わかる。マヤさんって、パーティの中に「おにいちゃん」がいるかどうかで、全然やる気が違うもんね

メイ:結構、その「おにいちゃん」のカバー範囲って広いんですよね

メルセデス:私の分析では、青年男性であれば誰でもいいみたいよ

ファルメア:でも私が見るに、ジオードくんといるときのマヤちゃんって、他の人といる時と比べて、少しだけ雰囲気が違うような……

 

 

メルセデス:(私の作戦は成功ね。アルフくんは簡単には渡さないわよ)

(FIN)

 

 

<公式によるキャラ・イベント紹介> 

 

 

 

 

セブンズストーリー
セブンズストーリー
開発元:WithEntertainment,Inc.
posted withアプリーチ