ハンマーパーティのエルダートレント攻略戦
プロローグ
王都の酒場のアルフ一行。
酒場の一角では、シルヴィア、ミナス、ハンナ、ノエルのハンマー使いの4人が飲んだくれている。
シルヴィア:ミナス〜。暇だよ〜。最近なんか面白いことない?
ミナス:(シルヴィアは、酒を飲むと変な絡み方してくるんだよなあ)
ミナス:じゃあ、最近王都で話題になっているモンスター、エルダートレントでも倒しにいくってのはどうだよ
シルヴィア:エルダートレント?
ミナス:なんでも、バカでけえ大木の化物で、4人じゃ勝てねえから、3パーティ12人で挑むらしいぜ
ハンナ:モンスター1匹相手に、冒険者が寄ってたかって12人とは情けないわね
シルヴィア:木のバケモンだろ! 私のこの戦斧にかかったらイチコロだよ。私達だったら4人で勝てるね
ミナス:おいおい、マジかよ。
シルヴィア:怖じ気づくのかよ、ミナス。フェアゲングとのレイドバトルで、4人でハンマーをぶっ放して王都のダメージランキングを競った私達だよ
ミナス:まさか。これは熱くなってきたぜー。俺たちの4人のハンマーとウィークウェポンがありゃあ、どんなモンスターだってイチコロだぜ
ノエル:なんだか面白いことになってきたねー
ハンナ:ここはバカばっかりだね。私もつきあうよ
シルヴィア:じゃあ、もう一杯飲むよ! 私たちの必勝を祈って
シルヴィア・ミナス・ノエル・ハンナ:かんぱーい!!
それを横目で見ていた、アルフ、セプティム、ファルメア。
ファルメア:本気かしらねあの4人
アルフ:心配なので一緒に見に行きましょう
セプティム:それがいいですね
ファルメア:いくらなんでもあの森の災厄と言われるエルダートレントを4人で倒せるとは思えないわ
アルフ:いざとなったら助けに入らないと
とりあえず戦ってみよう
翌日、エルダートレントの森を訪れたハンマーパーティの4人とアルフ達。
アルフ:本当にやるんですか?
シルヴィア:あったりまえだよ。手出しは無用だよ、アルフ
アルフ:わかりました。でも無理はしないでくださいね
森の最深部、巨大なエルダートレントが現れる。
シルヴィア:いくよ、みんな!
ノエル:えい
ハンナ:おりゃ
シルヴィア:でやぁ
ミナス:おらぁ
次々とウィークウェポンを打ち込むハンマーパーティ。
しかし、エルダートレントがグロウフィールドを放ち、モンスターを呼び寄せるとともに自分に不思議な力をかけている。
シルヴィア:ウィークウェポンが効いていない……
ミナス:いや、効いていないんじゃない。あのグロウフィールドっていう技で、ウィークウェポンが無効化されているんだ!
そんなハンマーパーティに、エルダートレントの大地のいかりが炸裂する。
一撃でノエルとハンナが戦闘不能になり、なんとか生き残ったシルヴィアとミナスも瀕死に。
シルヴィア:なんだこの技は……。スキルが使えない……
ミナス:攻撃、防御、会心が−50%だと……
シルヴィア:関係ねえ、ぶん殴ってやるだけだ
シルヴィア達は攻撃するもエルダートレントにほとんどダメージを与えられない。
そこにエルダートレントの無慈悲な2回目の大地の怒りが発動。
シルヴィア:調子にのりすぎた……?
ミナス:歌声が……聞こえる……
シルヴィア:ミナス、逃げるよ
ミナス:了解!
シルヴィアたちは敗走し、見守っていたアルフ達と合流。
シルヴィア:いやー。負けた負けた。こりゃあ勝てないわけだよ
アルフ:やっぱり無茶ですよ
ミナス:諦めるのか?
シルヴィア:うーん。でもこのまま引き下がるのは悔しいなあ
そこに、どこからともなくメルセデスが現れる
メルセデス:私に作戦があるわ
全員:メルセデスさん!?
メルセデス:あなたたちのエルダートレント対策は、なっていないわ
シルヴィア:エルダートレント対策!?
メルセデス:このパーティでエルダートレントを攻略するためのポイントは3点ね。グロウフィールド対策と、アクセサリ厳選によるダメージのかさ増し、そして大地の怒り対策よ。
対策しよう
<グロウフィールド対策>
メルセデス:まずはグロウフィールド対策よ
ミナス:グロウフィールドって対策はできるのかい?
メルセデス:そのためには、一人だけメンバーを交代する必要があるわね。ハンナ、ちょっとアルフくんと交代してくれる?
アルフ:僕ですか!? 僕の剣ではハンマーのウィークウェポンでダメージを通せないですよ
メルセデス:あなたには、ダメージじゃなくて別の役割があるのよ。私の指示どおりに動いてくれたらいいわ。そして、アルフくんの編成効果による能力の嵩上げが重要よ。ハンナにはアクセサリーの強化を手伝ってもらうわ。
<アクセサリ厳選>
メルセデス:次に、アクセサリの厳選ね。まずは、ハロウィンハットを全員で装備よ
ファルメア:ハロウィンハットはエルダートレントに有効な自然与ダメUPを持つ優秀アクセね
メルセデス:その他は、特に有効な状態異常がないので、☆5でアクセサリオプションが3つ付けられれば何でもいいわ。ハンナ、あなたにはアクセサリの強化をお願いするわね
ハンナ:あのデカブツにダメージを与えられる効果を付与するのよね
メルセデス:そう。エルダートレントに有効なのは、「大型与ダメUP」と「硬殻与ダメUP」よ。その2つを中心にシルヴィア達のオプションをつけなおして
ハンナ:よしきた
ハンナが猛然とアクセサリオプションの厳選にとりかかる
ハンナ:オプションを厳選していると、☆5アクセサリに状態異常付与率UPとかクリティカル発生率UPがつくんだけど、どうする?
メルセデス:どちらも無視しなさい。この際、状態異常付与率UPより硬殻与ダメUPのほうが重要よ
ハンナ:了解、上書きするわ
ファルメア:あぁ、貴重な状態異常付与率UPが……。そして虹の砂が見る間に溶けていく……
メルセデス:エルダートレントを倒すためには必要なコストよ(メガネが光る)
全員:(メルセデスさんがなんか怖い……)
<大地のいかり対策>
メルセデス:最後に大地の怒り対策ね。まずはあの男のアクセサリが必要だわ
ヴァルハイト:呼びましたか?
全員:ヴァルハイト!?
メルセデス:待っていたわ。あなたのアクセサリを貸してちょうだい
ヴァルハイト:これはアリーナ用に使っている特性強化済みのディメンジョンキューブですよ
メルセデス:それが必要なのよ。このアクセサリで大地の怒りで付与される封印を2回まで解除できるわ
アルフ:でも一つしかありませんよ
メルセデス:ディメンジョンキューブはあと一つほしいわね。やむをえないわ。トッフォー、ちょっとお店に行って、ディメンジョンキューブを買ってきて頂戴
トッフォー:よしきた
ファルメア:でも、虹の砂はもうないわよ
メルセデス:パーティのプレゼントボックスに溜まったアクセサリを売り払うのよ
トッフォー:おっけー
ファルメア:パーティの虎の子の虹の砂貯金達が……
メルセデス:ハンナは、このディメンジョンキューブに☆5アクセサリを合成して、特性をプラス5にするのよ
ファルメア:☆5アクセサリまで使うの!?
メルセデス:エルダートレント討伐には必要なコストよ(メガネが光る)
全員:(メルセデスさんがなんか怖い……)
メルセデス:そしてシルヴィアにはこれも渡しておくわね
シルヴィア:これは……
決戦エルダートレント
エルダートレントとの決戦に挑むシルヴィア、ノエル、ミナス、そしてアルフ。
ファルメアとメルセデス、セプティムがその様子を木陰から見守っている。
ファルメア:本当にこれで勝てるの?
セプティム:アルフさん達大丈夫でしょうか?
メルセデス:まあ見てなさいって
※先に動画でご覧ください
<第1ターン>
ノエル:ノエル、いっきまーす。よいしょっ!
ノエルのウィークウェポンがエルダートレントに炸裂する
ファルメア:1ターン目からウィークウェポン!? グロウフィールドで無効化されてしまうのでは?
メルセデス:まあ見てなさい
アルフ:行きます! 森の化物め。こっちが相手だ
アルフが盾を構えてエルダートレントを挑発
ファルメア:アルフくんは挑発!? しかもあの位置は……
メルセデス:そう。エルダートレントの攻撃範囲の死角からの挑発よ。これによって、グロウフィールドが出せなくなるとともに、アルフくんへの攻撃手段がないエルダートレントは行動できなくなるわ
シルヴィア:私がぶっ倒す。そりゃあ!
ミナス:イヤッホォ! 喰らえ!
シルヴィアとミナスのぶっとばしがエルダートレントの緑色の1ゲージ目のヒットポイントの大半を削り取る
ファルメア:遠隔攻撃スキルであの威力は半端ないわね
メルセデス:硬殻与ダメUPと大型与ダメUPをガン積みしたアクセサリーの威力よ。
<第2ターン>
ノエル:盛り上がってきたねー。でっかいの、いっくよー!!
ノエルがハッピーラブリーインパクトが炸裂。エルダートレントのHPの緑ゲージが消し飛び、黄色ゲージを削っていく。
ファルメア:ダメージ9999。凄まじい威力ね。まだウィークウェポンは一回しか当ててないのに……
メルセデス:編成効果を含めたノエルの攻撃力は1959よ
ファルメア:1959。ノエルって星4よね!?
メルセデス:ハンマーパーティのノエルにレア度の尺度を当てはめるのは意味がないわ。アルフくんとシルヴィア、ミナスの編成効果が全てノエルの攻撃力にプラスされるともに、仲間一人につき攻撃力を5%高めるノエルの自己バフが凄まじい攻撃力を生むわ
ファルメア:恐るべしお祭り大好き娘ね……
アルフは2回めの挑発。
シルヴィアとミナスのウィークウェポンで黄色ゲージを削るとともに、対ハンマー防御を−90%まで下げる。
エルダートレントはアルフの挑発で動けない。
メルセデス:さあ、次ターンが勝負よ。このターンで残った黄色ゲージと次のオレンジゲージを削り切れるかどうかにかかっているわ
ファルメア:オレンジゲージまで削り切らないとだめなの?
メルセデス:そう。ゲージがなくなると次のターンに大地の怒りがくる。4ゲージあるエルダートレントは基本的には最低3回の大地の怒りを放ってくるだけど、1ターンで2ゲージ分のHPゲージを削ることで、大地の怒りを2回に抑える事ができるわ
セプティム:それができないとどうなるんですか?
メルセデス:シルヴィア達の持つディメンジョンキューブはスキル以上を2回までしか治すことができないの。大地の怒りを3回くらうことは、攻撃手段を無くすことを意味するわ
<第3ターン>
メルセデス:それじゃあ、セプティム頼むわ。
セプティム:わかりました。お願い、力を貸して、イフリート!
イフリートの獄炎がエルダートレントを包みダメージを与えるとともに、味方の攻撃力を高める。
そして、ハンマーの3人が殴りかかり、あっという間にオレンジに突入したHPゲージを削っていく。
ファルメア:すごい威力ね。3人のほとんどが1万に近いダメージを与えている
セプティム:でもミナスさんの攻撃でも、オレンジのゲージが少し残っちゃいましたよ
ラビィ:俺にまかせろ、やるぜ、それ!
ラビィの一撃が最後に残ったオレンジゲージを削り切る
メルセデス:勝ったわ(メガネが光る)
セプティム:反撃がきます
エルダートレントの大地のいかりがパーティを襲う。
4人はなんとか生き延びるが、能力値が大幅に低下し、スキルが封印される
<第4ターン>
ディメンジョンキューブが発動し、シルヴィアとミナスの封印が解除される。
スキルを封印されたノエルとアルフの攻撃はエルダートレントに全く通らない。
シルヴィア:私がぶっ倒す。チェインダウン!
ミナス:熱くなってきたぜ! 喰らえ!! チェインダウン!
チェインダウンが、二人の低下した能力値をエルダートレントに反転付与する
そして、エルダートレントの2回めの反撃。大地のいかりが炸裂し、シルヴィア以外の3人を戦闘不能にする
アルフ:あとは任せました……
ミナス:ねえさん、あとは頼んだ……
セプティム:なんで、シルヴィアさんだけは大地のいかりでダメージを受けていないんですか?
メルセデス:いいところに気づいたわね。これが大地のいかり対策の2つ目、イフリートペンダントの威力よ
ファルメア:イフリートペンダント!
メルセデス:もともと炎属性のシルヴィアが、セプティムの召喚したイフリートとイフリートペンダントでその属性を強化されて、大地のいかりのダメージをほぼ無効化するわ。あとはシルヴィアとエルダートレントの殴り合いよ。
<第5ターン以降>
シルヴィア:とうとう一対一になったわね、エルダートレント! これを食らって無事でいられる!?
シルヴィアのボルケーノアックスがエルダートレントを炎に包み、残された赤ゲージを大きくけずる。
エルダートレントの反撃は、シルヴィアを後方にふっとばし、束縛を付与する。
シルヴィアはその位置から2度めのボルケーノアックスを撃ち、エルダートレントにSPを貯めさせない。
エルダートレントがグロウフィールドを繰り出し、自身の周囲をモンスターで囲うとともに、シルヴィアに猛毒を付与する。
セプティム:ヴィロームお願い
セプティムの幻晶獣がシルヴィアの束縛を解除し、邪魔なモンスターを排除
シルヴィア:ありがとな、セプティム。これで最後だ!
シルヴィアの起死回生がエルダートレントを貫き、エルダートレントが爆散。
シルヴィア:勝った!勝ったーー! よーし一杯やろうぜ!!
エピローグ
1パーティでエルダートレントを倒したシルヴィア達は、王都で大きな話題になり、ハンマー使いの歴史に新たな伝説を刻んだ。
戦いの翌日、メルセデスはヴァルハイトのもとを訪れていた。
メルセデス:ヴァルハイト。このディメンジョンキューブを返すわ。ありがとう
ヴァルハイト:どういたしまして。お役に立ちましたか?
メルセデス:これがないと、エルダートレントを倒すことはとてもできなかったわ
ヴァルハイト:それは良かったです
メルセデス:それから一つ聞きたいのだけど
ヴァルハイト:なんでしょうか?
メルセデス:こんな能力のアクセサリを作る技術は、この世界のどこにも存在しないはずなんだけど……、あなた達は一体どこから来たのかしら?
ヴァルハイト:なんのことでしょうか?
メルセデス:まあ、今はいいわ
ヴァルハイト:(まさか我々の世界を闇に閉ざす一因となったエルダートレントを4人だけで倒してしまうとは……)
ヴァルハイト:(私に託されたアクセサリにこんな使い方があったとは驚きです。これは確実に我々の未来を変える出来事になりそうですね)
ヴァルハイト:(そして、これは!!!)
ヴァルハイト:(私のディメンジョンキューブのアクセサリーオプションが、すべて硬殻与ダメUPになっているだと……)
(FIN)